京都映画センターは1970年に発足しました。この時期、京都府内から映画館がどんどんなくなっていました。映画をスクリーンで見たいと思っている人たちに地域の中で、身近な会場で、より良い条件で映画を届けようということでスタートしました。21世紀の現代、映画は様々な鑑賞のスタイルが生まれました。好きな作品を好きな時間に、好きな場所で見る、それが主流でしょうか。でも、決まった時間に、大勢の人が集まって、スクリーンを皆が見るという、不自由で、不便で、融通の利かない鑑賞スタイルを、私どもは大事にしていきたいと考えています。そこには《人間の豊かさ》に通じるものがあると考えているからです。
2014年12月
株式会社 京都映画センター
代表取締役 竹内 守
私たちは、映画上映を通して、町を元気にする感動を届けます。また、地域の人と一緒になった映画会作りをめざします。
1950年代の後半から60年にかけて、日本映画界は産業的にピークを迎えました。映画館は全国津々浦々にあり、国民1人あたり月に1回平均で映画館に足を運んでいました。
60年代に入り、TVも普及し始め、娯楽の多様化も手伝って、映画館は地方都市から姿を消し始め、映画館への足も遠のき始めました。日本映画が産業的に衰退していくのと併せて、作品の質も必ずしも良質なものとは限らず、「よい映画が作られ、それを鑑賞したい」という国民の願いは、高まっていました。
そうした背景の中、一定の準備期間を経て、1970年3月1日に「京都映画センター」は設立されました。“よい映画をより多くの人々に、京都府内、すみずみまで届ける”という姿勢を基本に、普及作品に責任をもって良心的な製作者を励まし、また、鑑賞者を組織して上映会をつくり、現在は、フィルムレンタル、移動映写、製作協力、映画会の企画、行政、学校上映などの活動の幅が広がり、取り扱う作品の量も年々充実してきています。
映画文化の変化は近年大きなものがありますが、心を育てる映画をそして人と人とを結びつける上映会を、これからも広げていきます。